11月度チリ情勢
在チリ日本大使館より発行されたチリ経済情勢報告(2023年11月)によると、直近の情勢は以下の通り要約される。:
①鉱業情勢
SONAMI(チリ鉱業協会)により銅の生産量予測が発表された。
同発表によると、まず2023年の銅の生産量は、主に鉱石品位の低下と一部の鉱床における技術的な問題により、2022年の533万トンから525万トン程度に減少すると予想されたが、2024年にはパンデミックによる遅れを取り戻すかのように約555万トンにのびると見られている。銅価格は1 ポンドあたりUSD3. 7 ~ 3. 9 になると予測される。(同経済情勢報告によると、2023年11月末の国際銅価格は前月末比3. 7%と上昇傾向にあった。)
2024年は銅市場の黒字が予想される一方、世界の銅消費量の5 7 % を占める中国における不動産危機と地方政府の高債務による影響が懸念されている。
②経済情勢
10月の経済活動指数は前年同月比0.3%、鉱業においては前年同月比-4.0%を記録した。
同月の鉱業生産指数は前年同月比-6.8%となり、銅生産量においては前年同月と比べ4.4%の下落がみられた。
11月の輸出額は77.3億ドル(前年同月比-4.0%)、その内鉱業品46.9億ドル(同-3.3%、全体の60.6%)、さらにその内の銅は39.6億ドル(同3.8%、鉱業品輸出額全体の84.4%)となった。一方11月の輸入額は64.4億ドル(前年同月比-15.4%)となり、貿易収支は12.8億ドルの黒字となった。
なお、10月度の対日、中、韓貿易額は以下の通りだ:
対日:輸出額5.1億ドル( 前年同月比-32.2% )、輸入額3.4億ドル( 同64.8% )、貿易総額8.5億ドル( 同-11.4% )
対中:輸出額32.0億ドル( 前年同月比-4.4% ) 、輸入額16.7億ドル( 同8.0% ) 、貿易総額48.7億ドル( 同-0.5% )
対韓:輸出額4.1億ドル( 前年同月比-7.6% )、 輸入額0.9億ドル( 同-10.6% ) 、貿易総額5.0億ドル( 同-8.2% )
参考:在チリ日本大使館経済班「チリ経済情勢報告(2023年11月)」