6月度チリ情勢

在チリ日本大使館より発行された「チリ経済情勢報告(2023年6月)」によると、直近の情勢は以下の通り要約される。:

  • 経済情勢

5月の経済活動指数は前年同月比-2.0%、鉱業においては前年同月比-7.5%を記録した。
同月の鉱業生産指数は前年同月比-9.2%となり、銅生産量においては前年同月と比べ14.1%の下落がみられた。
6月の輸出額は79.4億ドル(前年同月比-3.6%)、その内鉱業品47.5億ドル(同1.0%、全体の59.9%)、さらにその内の銅は38.8億ドル(同3.6%、鉱業品輸出額全体の81.7%)となった。一方6月の輸入額は63.7億ドル(前年同月比-25.5%)となり、貿易収支は15.7億ドルの黒字となった。

なお、5月度の対日、中、韓貿易額は以下の通りだ:
対日:輸出額5.4億ドル( 前年同月比11.2% )、輸入額1.7億ドル( 同23.3% )、貿易総額7.2億ドル( 同13.9% )
対中:輸出額26.9億ドル( 前年同月比-27.2% ) 、輸入額15.6億ドル( 同-16.8% ) 、貿易総額42.5億ドル( 同-23.7% )
対韓:輸出額5.9億ドル( 前年同月比39.6% )、 輸入額1.0億ドル( 同-43.0% ) 、貿易総額6.9億ドル( 同16.0% )

  • リチウム情勢

2024年前半チリ政府は民間企業に向けて、チリ国家地質鉱業サービスが登録したアントファガスタ州とアタカマ州にある18の塩田にて、リチウム探査許可への入札を予定している。
2023年からCODELCO(チリ銅公社)、ENAMI(チリ鉱業公社)の子会社は探査と開発のためのリチウム特別操業契約( 以下、CEOL)を付与され、民間企業と提携できるか否かを決定できるようになるそう。
また、7月に発表された国家リチウム戦略のスケジュールによると、先住民との対話プロセス、技術・公共研究所の設立、国営リチウム会社の設立(2024年予定)等の戦略が説明された。国営リチウム会社の設立法案が今年末までに国会に提出予定である。

参考:在チリ日本大使館「チリ経済情勢報告(2023年6月)」