チリの経済情勢(2021年10月度)

在チリ日本大使館より21年10月の経済情勢定期報告が発表された。(9月度のデータ含む)

チリ国内の景気は6月に引き続き、コロナウイルスの影響から回復してきているようだが、輸出入の業績は不振なようだ。

在チリ日本大使館が発表した該当の定期報告を詳しく見ていくと、まず9月度経済活動指数の前年同月比自体は15.6%となっているが、その内鉱業に関しては前年同月比-6.7%、その他業種の前年同月比は18.7%となっている。

義務的自宅待機が解除されて暫く経つからか、スーパーマーケットの売り上げやサンチャゴ首都圏での商業販売等チリ国内での消費は物価が上昇したものの前年と比べかなり回復してきているようだ。(9月度商業活動指数:前年同月比17.9%)

一方で9 月の鉱業生産指数は前年同月比-7.3 % 、銅生産量は- 6.9 %となった。これは同報告にてあわせて報じられている干ばつとセンチネラ鉱山の鉱石品位の低下によるものと思われる。

その影響もあってか、国際銅価格は上昇傾向にあり10月の貿易収支は3.5億ドルの赤字となった。これは、やはり鉱業品及び銅がチリの輸出品の半数以上を占める為だ。

また、9月度の対日、中、韓貿易額は以下の通りだ:

対日:輸出額3.9 億ドル( 前年同月比-9.6 % )、輸入額1.8 億ドル( 同1 6 7.5% )、貿易総額5.7 億ドル( 同1 4.5% )

対中:輸出額2 8.2 億ドル( 前年同月比1 3.4 % ) 、輸入額1 9.4 億ドル( 同3 7.9% ) 、貿易総額4 7.5 億ドル( 同2 2.2% )

対韓:輸出額3.7 億ドル( 前年同月比4 5.2 % )、 輸入額1 . 1 億ドル( 同1 1 7.3% ) 、貿易総額4.8 億ドル( 同5 7.0% )

オミクロン株への懸念が国際的に注目の的となっているが、気候に加え今後の経済情勢及び貿易への大きな影響とならない事を祈りたい。

参考:在チリ日本大使館経済班「2021年10月経済情勢報告」