12月度チリ情勢
在チリ日本大使館経済班発行の「チリ経済情勢報告(2023年12月)」によると、直近の情勢は以下の通り要約される。:
①エネルギー情勢
チリ政府、マガジャネス州政府、水素産業関連企業で構成される組合が、質の高い雇用創出、産業化の促進、カーボンニュートラルに向けた進歩の強化、H 2 V (グリーン水素)応用研究技術センターの設立(2024年中に入札予定)を目的としたグリーン水素開発に関する官民協定に署名した。
また、同協定により地域での計画的な人材開発が可能となり、チリ国内での太陽光発電など一部の産業での技術革新不足が補われる事が期待されるとの事。
グリーン水素とは?
様々な乗り物に使えるサスティナブルな燃料の一種であり、さらには送電網のエネルギー貯蔵、暖房、鉄鋼生産、
他の化合物を生成する原料としても使われる。
例えば北部の太陽や南部の風など、チリは再生可能エネルギーを生成するポテンシャルが高く、グリーン水素生産に関して比較優位にあると言える。
チリの再生可能エネルギー、カーボンニュートラル情勢についてはこちらも是非ご覧ください。
②経済情勢
11月の経済活動指数は前年同月比1.2%、鉱業においては前年同月比2.7%を記録した。
同月の鉱業生産指数は前年同月比1.8%となり、銅生産量においては前年同月と比べ2.6%の下落がみられた。
12月の輸出額は79.5億ドル(前年同月比-13.9%)、その内鉱業品47.7億ドル(同-15.2%、全体の60.0%)、さらにその内の銅は41.6億ドル(同-8.1%、鉱業品輸出額全体の87.3%)となった。一方12月の輸入額は62.2億ドル(前年同月比-12.6%)となり、貿易収支は17.3億ドルの黒字となった。
なお、11月度の対日、中、韓貿易額は以下の通りだ:
対日:輸出額6.6億ドル( 前年同月比-9.9% )、輸入額1.3億ドル( 同-41.9% )、貿易総額7.9億ドル( 同-17.6% )
対中:輸出額32.0億ドル( 前年同月比-5.1% ) 、輸入額15.4億ドル( 同-4.9% ) 、貿易総額47.3億ドル( 同-5.0% )
対韓:輸出額3.7億ドル( 前年同月比-24.6% )、 輸入額1.1億ドル( 同-24.0% ) 、貿易総額4.8億ドル( 同-24.4% )
参考:在チリ日本大使館経済班「チリ経済情勢報告(2023年12月)」