8月度チリ情勢
在チリ日本大使館より発行されたチリ経済情勢報告(2023年8月)、チリ政治情勢報告(8月)によると、直近の情勢は以下の通り要約される。:
①リチウム情勢
現在チリ政府は、国営リチウム会社の設立(官民連携の強化)を推進しているが、現地紙にて「リチウム開発の民営化が維持されれば、2036年までにチリのリチウム(主に炭酸リチウム)生産量が3倍になる」という趣旨の調査結果が報じられた。
なお、財政へのリチウムの貢献度は同鉱物の長期的価格によるそうだが、国家リチウム戦略の下では、生産と税収の水準が「より不確実」であると言われており、民営化を維持するか、同国家戦略を維持するかの決断が迫られている。
また、8月に鉱業省を含む内閣の閣僚交代が発表されたため、今後の動向につき更に注視してゆく必要がありそうだ。
②経済情勢
7月の経済活動指数は前年同月比1.8%、鉱業においては前年同月比2.9%を記録した。
同月の鉱業生産指数は前年同月比0.6%となり、銅生産量においては前年同月と比べ0.9%の上昇がみられた。
8月の輸出額は79.0億ドル(前年同月比-1.2%)、その内鉱業品45.6億ドル(同3.6%、全体の57.5%)、さらにその内の銅は37.0億ドル(同8.3%、鉱業品輸出額全体の81.3%)となった。一方8月の輸入額は73.5億ドル(前年同月比-18.0%)となり、貿易収支は5.9億ドルの黒字となった。
なお、7月度の対日、中、韓貿易額は以下の通りだ:
対日:輸出額4.9億ドル( 前年同月比13.3% )、輸入額1.3億ドル( 同-45.6% )、貿易総額6.2億ドル( 同-8.0% )
対中:輸出額29.4億ドル( 前年同月比-4.3% ) 、輸入額15.8億ドル( 同-22.1% ) 、貿易総額45.2億ドル( 同-11.4% )
対韓:輸出額4.4億ドル( 前年同月比-16.3% )、 輸入額1.1億ドル( 同-8.3% ) 、貿易総額5.5億ドル( 同-14.9% )
参考:在チリ日本大使館経済班「チリ経済情勢報告(2023年8月)」
在チリ日本大使館「チリ政治情勢報告(8月)」
https://www.gob.cl/noticias/presidente-boric-da-conocer-creacion-de-empresa-nacional-del-litio/