バナジウム市況

有力なバナジウムメーカーからの情報によると、世界のバナジウム相場は市場の需給に合わせ健全に推移しているとのこと。

世界のバナジウム供給は中国、ロシア、南アフリカ、ブラジルと限られている中で、3月初旬にロシア-ウクライナ問題が勃発。ロシアのバナジウムスラグの供給が止まり、関係者の間ではバナジウム市場の急騰が予測された。

しかしその後、ロシアのバナジウムスラグは中国が購入、中国にてFeVなどバナジウム製品を製造する見方が広がり、下落。五酸化バナジウム相場は、3月初旬のUSD10.72/lbから足元はUSD10.325/lb、フェロバナジウム相場はUSD62/lbからUSD54.5/lbと、この3月初旬から4月中旬までの間は、緩やかな下落が続いている。

ただ、ロシアは欧州向けにはバナジウムスラグの供給を実際に止めているという情報もあり、今後もバナジウム市場については、足元の需給バランスを慎重に捉えていく必要があると考える。