バナジウム市況(2022年7月)

ある有力なバナジウムメーカーからの情報によると、直近6月から7月にかけてのバナジウム市況は、供給過剰な状態が続き、それに応じて市況価格も下落しているとのこと。

世界最大のバナジウム消費国である中国では、その需要の大半を占める鉄鋼業界の需要が、不動産投資の抑制より公共工事が鈍化。結果鉄筋の販売が落ち込み、バナジウムの需要が減少している。

また、当初ロシア-ウクライナ問題により、バナジウム製品の原料となるバナジウムスラグの海外需要が落ち込むため、供給量も減少するとみられていたロシアだったが、バナジウムスラグ供給量は増え続けており、市場では供給過剰な状態が続いている。

バナジウム製品の相場は、それぞれ前回の4月から下記の通り価格が下落しており、今後も鉄鋼業界の需要減、ロシア製バナジウムスラグ供給過剰な状態が続けば、更なるバナジウム価格の下落が予測される。

【市況価格参考】

・五酸化バナジウム:4月USD10.325/lb → 7月USD7.205/lb

・フェロバナジウム:4月USD54.5/lb → 7月USD36/lb